トランスペアレント モードでは、ARP (Address Resolution Protocol: ネットワーク インターフェース カードの一意のハードウェア アドレスと IP アドレスとを関連付けるメカニズム) がプロキシされます。左側のワークステーションまたはサーバが、過去にルータ (192.168.0.1
) の MAC アドレスを 00:99:10:10:10:10
に解決したことがある場合、これらのホストが装置を介して通信を行うためには、このキャッシュされた ARP 登録がクリアされている必要があります。これは、装置が、トランスペアレント モード動作のインターフェースに接続されているホストに代わって、ゲートウェイの IP (192.168.0.1
) をプロキシ (つまり、代理で応答する) するためです。したがって、左側のワークステーションが 192.168.0.1
の解決を試みるために ARP 要求を送信すると、装置が自分の X0 の MAC アドレス (00:06:B1:10:10:10
) を返すことによって応答します。
同様に、装置がその X1 (プライマリ WAN) インターフェースで ARP 要求を受信した場合、トランスペアレント モードのインターフェースに割り当てられたトランスペアレント範囲 (192.168.0.100
~ 192.168.0.250
) に指定されている IP アドレスを対象に ARP のプロキシを行います。ルータが過去にサーバ (192.168.0.100
) の MAC アドレスを 00:AA:BB:CC:DD:EE
に解決したことがある場合、装置を介してホストと通信するためには、このキャッシュされた ARP 登録がクリアされている必要があります。通常、そのためには、管理インターフェースを使用するか、再起動することによって、ルータの ARP キャッシュを消去する必要があります。ルータの ARP キャッシュがクリアされると、このルータは、192.168.0.100
に対する新しい ARP 要求を送信できます。装置は、それに対する応答として、X1 の MAC アドレスである 00:06:B1:10:10:11
を返します。