SonicOS 7 ルールとポリシー --- TZ シリーズ用

管理距離について

管理距離は、送信元が異なる 2 つの同一ルートがある場合にルートの送信元としてどちらを使用するかに影響を与える値です。管理距離の値が小さいほど、そのルートの信頼度は高くなります。

設定された管理距離は、次のためのルート選択時に ZebOS コンポーネントでのみ使用されます。

  • PBR 内への登録
  • ある静的ルートが特定のルーティング プロトコルから受け取ったルートと競合した際の、他のルーティング プロトコルへの再配布

管理距離は、PBR 自身内でのルートの優先順位付けには使用されません。そのため、動的ルーティングが使用中でない限り、静的ルートに対して設定されている管理距離には影響力がありません。動的ルーティングが使用されている場合、管理距離は、PBR で定義されている静的ルートと、OSPF、RIP、BGP などのプロトコルから受け取る可能性がある、その他の点では等価な動的ルートとを比較するために使用できるメカニズムを提供します。既定では、ネットワーク サービス モジュール (NSM) 内に挿入された PBR 静的ルートの管理距離は、PBR ルートで定義されているメトリックと等しくなります。必要に応じて、各静的ルートの管理距離は、管理距離に対する個別値の入力時に、異なる値に設定できます。

例えば、単純な (送信先のみの) 静的ルート (例: 送信先 = 14.1.1.0/24) がメトリック 10 で定義されていて、管理距離が既定値である「自動」に設定されている場合、このルートは管理距離とメトリック 10 を用いて NSM 内に登録されます。

ここで、同じ 14.1.1.0/24 へのルートを RIP と OSPF の両方から受け取ったと仮定します。RIP ルートは既定の管理距離 120 を、OSPF ルートは 110 を持つため、既定の管理距離 (= メトリック) が 10 である静的ルートは、どちらのルートよりも優先されます。そのため、NSM は OSPF および RIP ルートのどちらも PBR 内に登録しません。しかし、静的ルートの管理距離が 115 に設定されていたとすると (メトリックは 10 のまま)、OSPF ルート (管理距離 110) は静的ルートよりも優先されますが、RIP ルートが静的ルートよりも優先されることはありません。OSPF ルートが存在しなくなったとした場合、NSM は OSPF ルートを削除しますが、RIP ルートについては、120 の管理距離 (AD) が静的ルートの 115 AD よりも大きいため、登録されることはありません。

上記のどちらのケースでも、静的ルートは依然として PBR で優先されます。NSM から PBR 内に登録された既定以外のすべてのルートはメトリック 110 で追加されており、この値は静的ルートのメトリック 10 よりも大きいからです。

静的ルートで 110 という管理距離と "メトリック > 110" を満たすメトリックが使用されている場合、NSM に渡されたメトリック値は、OSPF がこの静的ルートと競合する任意の OSPF ルートの OSPF メトリック (またはコスト) との比較を行う際に OSPF によって使用されます。

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